もはやwizである必要はどこにあるんだろうか、とすら思うときがある。

……と↑の記事で書いてみたところで、心境はやっぱり複雑。特にwiz8のいきさつを多少なりとも知ってるとなおさらで。
本当に多少ですが、以下簡単に蛇足説明。まず、wiz7発売*1からから8の発売*2まで、実に9年の歳月が流れています。その間にDavid W. Bradley*3が会社を去り、更に数年後にはその開発元である米Sir-tech自体が経営難によって倒産。開発自体はSir-tech Canadaが引き継ぐ形で再開されるものの、販売元が見つからず苦戦。これに関しては、どうやらこれから開発を行うwiz9の販売まで含めた契約を望んでいたという話を耳にしたことが。そして販売元が見つからぬままwiz8は発売され、Sir-tech Canada自体も「wizardly8を最後に休業する」という発言をインタビュー内で行っています(参照 → インタビュー記事)*4
こういう下地を知った上での今回の↑の記事は、やはり色々あるわけです。wizの、ある意味公的な新作を見られる機会が出来たことを喜んで良い物か、それともそのネームバリューを下地に無理に生きながらえているような感がする現状を悲しんで良い物か*5
Robert Woodhead*6が去り、Andrew C. Greenberg*7が去り、Roe.R.Adams III*8が去り*9、David W. Bradley*10が去り。システムも世界観も大きく変わり、20年*11というCRPG史上最長とも言える歴史を持つこのゲーム自体も、既に二度の終演を迎えています。個人的には、そろそろ「wizardly」という名前を安らかに眠らせて上げても良いんじゃないかなと思うのですが、いかがな物でしょうか。……その眠り方が、RESURRECTIONで生命力が0になったり、KARORTOに失敗して消滅するのか、宿で老衰するのか、いしのなかにいる!なのかは、私は考えないことにする。

*1:1993年IBM-PC版発売

*2:2001年win版発売

*3:wiz5wiz6及び7の原作及び開発を担当していた。

*4:実際、wiz8は他言語版などが無く、移植もされていなかったと……かと。(以下追記)って考えたら日本語版のwiz8有るじゃないか;他言語版はあります。訂正します。ゴメンナサイm(__)mウソカキマシタ。

*5:ほんっとーに蛇足なのでコメントアウトで失礼しますが、以下私個人の見解。ある意味日本では最もファンが多い「古き良きwiz」ことⅠ〜Ⅲのシステムを持ったwizは既に何度も使い古されシステム的に目新しい物ではない。ファンとしても、コアなファンになればなるほどよけいな知識を得すぎており、ある意味wiz#1のような絶妙なバランスとどきどき感を味わうことは難しいだろう。逆に新しいユーザーに取ってはこのシビアな世界をどこまで受け入れてくれるかも定かではない。そんなリスクの高いゲームは、今の現状では恐らくゲームメーカーとしては出せないのではと私は思う。

*6:ご存じTreborその人。

*7:The wizard werdna...

*8:Softalk All-stars less one のless one <酷い言い方だ;

*9:厳密には去ったわけではないのだけれど……。

*10:そう言えばこの人は唯一ゲーム内のキャラが居ない気が。

*11:wiz#1(1981)〜wiz8(2001)。